建設業の常識を変える「Salesforce一元管理」の思想。 〜現場で完結する「見積ガントへGO!」がもたらした、ハンコレスと脱・属人化の軌跡〜

導入背景

これまではWindows XPの時代から継ぎ足しで使っている見積ソフトを利用していたが、システムがいつ壊れてもおかしくない状況だった。また、過去の案件情報や見積データがExcel、Word、紙など部門ごとにバラバラの場所に点在しており、「特定のベテラン社員に聞かなければ過去の経緯がわからない」という情報の属人化が起きていた。 現場の担当者は日中現場に出ているため、夕方以降に会社に戻ってから見積もりを作成し、紙に出力して上長のハンコをもらうというフローが定着しており、これが残業の発生や業務のボトルネックとなっていた。 情報の統合と脱・属人化、そして建設業界における新しい働き方を目指し、自社の基盤であるSalesforce上でシームレスに動く見積システムの導入を決定した。

課題
  • ツールの老朽化と情報分散:古いソフトに限界がきていたうえ、Excelや紙、個人の記憶に情報が点在し、過去の資料を探す手間が膨大だった。
  • 特定の担当者への「属人化」:「あの案件はどうだったか」を特定のベテランに聞かないと分からず、組織全体としての戦力化に課題があった。
  • 場所と紙に縛られた見積業務:見積作成やハンコをもらうために会社に戻る必要があり、スピーディーな提出ができず残業の温床になっていた。
効果
  • Salesforceへの情報一元化:見積もりや過去の発注履歴などが1つの画面で誰でも確認できるようになり、紙を探す手間や人に聞く手間が激減した。
  • 現場でのスキマ時間活用と残業削減:現場にいながら空き時間で見積もりが作成可能に。会社に戻る必要がなくなり、残業時間が削減された。
  • 新領域へのチャレンジを後押し:社内の情報が属人化せずシステムに蓄積されている環境が、別部署から異動し新たな資格を取得した社員のディレクター業務への挑戦をサポートしている。

限界を迎えていた古いシステムと、情報管理の「属人化」

スミダ工業は、建築・リフォーム工事から設備まで幅広く事業を展開しています。これまで見積作成には外部に依頼して作った古いソフトを使用していましたが、「いつデータが飛んでもおかしくない」という不安を抱えながらの運用が続いていました。

さらに大きな課題だったのが、情報の分散と「属人化」です。過去の資料がExcelやWord、紙のファイルなどあちこちに散らばっており、過去の案件について知りたいときは「当時の担当者の頭の中を探る」しか方法がありませんでした。「あの人に聞かなければ過去の経緯が一切わからない」という状況は、組織全体を底上げしていく上で大きな足かせとなっていました。

建設業の常識を変える、「Salesforce基盤への情報統合」という強い思想

建設業界では、現場ごとにITツールが分断され、システム化がなかなか進まないケースが少なくありません。しかし、スミダ工業がツールの刷新にあたり最もこだわったのは、「Salesforce基盤で動くこと」でした。

「いろんなアプリやデータベースが乱立すれば、いずれ収集がつかなくなります。我々としては、統合と集中の引力の方が強かった。だから、Salesforce上で動くものというのが第一条件でした。他社の施工管理アプリも知っていましたが、情報の連携が面倒になるので選びませんでした」(K.H氏)

見積もりデータもすべてSalesforce上に集約し、将来的にはダッシュボードでの集計や平均単価の算出など、データを経営戦略に活かしていく。システムを単なる「作業ツール」としてではなく、「会社全体の情報を一元管理する基盤」として使いこなす同社の思想は、業界内でも非常に先進的です。

「これまで、会議資料を別途作成していましたが、最近ではデータがSalesforce内で完結していることで、別途集計しなくても、ダッシュボードを見れば状況がわかるようになりました」(K.U氏)

使い込んでいるからこそ溢れる、システムへの愛ある「要望」

今回のインタビューでは、システムに対する非常に具体的で熱量の高い改善要望も多数寄せられました。見積書の改ページ時のレイアウト調整や、消費税の端数計算、項目記号の表示方法など、その内容は多岐にわたります。

これほど多くのフィードバックが生まれるのは、スミダ工業が同システムを単なる導入にとどめず、日々現場で徹底的に使い込んでいるからこそ。自社の高度な業務フローにいかにフィットさせるかという真剣な姿勢の表れです。提供側にとっても、こうした現場からのリアルな声はシステムを進化させるための最大のヒントであり、理想のシステムを共に創り上げるパートナーとしての力強さを感じさせます。

現場で見積もりが完結。ハンコレスで残業削減とスピードアップを実現

導入後、現場の働き方にも明確な変化が表れました。これまでは日中現場に出た後、17時以降に会社に戻ってから見積もりを作成。さらに印刷して上長のハンコをもらわなければ提出できず、週末には対応がストップしてしまっていました。

「今では、現場にいながら、空いた時間で見積もりを作れるのが一番助かっています。自動採番になり、ハンコをもらいに行く手間もなくなりました。会社に戻って残業しなければならなかった業務がなくなり、働き方のインパクトは間違いなく大きいですね」(T.H氏)

一部の権限(数十万円単位の案件など)は各担当者に裁量を任せることで、よりスピード感のある対応が可能になりました。

組織の変革とともにある成長。ITの活用が新たな挑戦を後押し

事業体制の変化に合わせて、社員の新たな挑戦も始まっています。

もともと別事業部に所属していたR.O氏は、部門の再編を機に社長の勧めを受け、新たに「建築ディレクター」の資格を見事取得。今後は現場にとどまらず、ディレクター業務も推進していく予定です。

このようなキャリアの転換期においても、Salesforceや見積システムの存在が活きています。過去のデータが一元化され、誰でも情報を引き出せる環境は、新しい領域にチャレンジする社員にとって非常に心強い味方です。業務の属人化を防ぎ、スムーズな立ち上がりをサポートする基盤が、社員のポジティブなステップアップを後押ししています。

過去の履歴も1画面で把握。キャビネットが不要になる「次の景色」へ

現在では約15名が日常的にシステムを利用し、定着が進んでいます。

「過去の履歴を見るのに紙のベースを探していたのが、今はSalesforceの画面1つですべて見れるようになりました。誰に聞かなくても、過去の発注履歴などがすぐにわかります。属人性を排除し、誰でも情報を引き出せるようになったのは素晴らしい収穫です」(K.U氏)

紙の書類が減ったことで、オフィスのキャビネットも不要になり、空間のダイエットにも成功しつつある同社。「最終形態は、会社にいなくても各現場ですべてのデータにアクセスでき、完結すること」と語る通り、ITを駆使したスミダ工業の次世代の仕組みづくりはこれからも進化を続けていきます。

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