高速道路が“開通したところ”。協和機工が進める、現場と管理の仕組みづくり

会社名協和機工株式会社
業種 プラント設備, 建設・工事
企業規模 1人〜99人
導入背景
協和機工はプラントメンテナンスを中心に全国から依頼を受ける老舗企業だが、
事業拡大とともに、案件・顧客情報・請求などの管理が部門ごとに分散し、全体像を把握しづらくなっていた。
営業はExcel、現場は紙、請求はfreee、顧客とのやり取りは個人のノートやメールに残され、
情報を探す・重複を防ぐ・請求漏れを確認するといった“管理のための作業”が日常業務を圧迫していた。
また、既存のツールは構築負荷が高く、自社に最適な運用へ作り込むには限界があった。
現場も総務も無理なく扱える一元管理基盤が必要となり、建設業・設備業の業務フローを理解したパートナーとして「現場へGO!」を選定した。
- 情報管理が部門ごとに分散していた:Excel・紙・freee・個人メモなど、情報が複数の場所に点在し、探す・共有する・確認する作業が膨大だった。
- 案件や請求の全体像が見えなかった:主要案件のみ管理され、少額案件は抜け落ちがち。売上・進捗が正しく把握できず、請求漏れリスクも存在した。
- 既存ツールの作り込み負担が大きい:他のツールでは自社で構築を進める必要があり、運用が複雑化。現場と総務双方が無理なく使える仕組みづくりが困難だった。
- 案件・見積・請求の一元管理が定着:全案件をまず登録し、運用しながら整える方針で、データが一つの基盤に集約。探す・確認する作業が激減した。
- 現場と総務の連携がスムーズに:総務が設定変更や改善を主導し、現場の声を即反映。部門間で情報が途切れず、業務が“回る”感覚が強まった。
- 基盤が整い、次の業務改善ステージへ :「高速道路が開通した」状態に到達。データが流れ始め、これから自動化・効率化の実感を積み上げる土台ができた。
「まだ道半ば。でも、確かに“高速道路が開通した”感覚があります。」
プラントメンテナンス事業を主軸に全国展開を進める協和機工株式会社。近年はエア漏れ検査や、ファシリティソリューション事業など新たな分野にも挑戦しています。事業が広がるほど複雑になるのが、顧客・案件・請求の管理。
長年頼ってきたExcelでは、情報が追いきれなくなっていました。そんな中で導入したのが「現場へGO!」。
導入から1年半、まだ結果はこれから――。けれど確かに、現場の仕組みは少しずつ動き出しています。
事業拡大とともに浮かび上がったExcelの限界
協和機工は、山口県を拠点にプラントメンテナンスを手掛けてきた老舗企業。「特殊工具を使い、他社にない技術で現場を支える」ことを強みに、近年は全国のプラント現場から声がかかるようになっていました。
一方で、事業が拡大するほど案件も増加。営業はExcel、現場は紙の報告書、請求はfreee――部門ごとにバラバラの管理が進み、全体像が見えなくなっていました。
顧客とのやり取りや進捗メモは個人のノートやメールに残され、共有にも時間がかかる。
「情報を探す」「重複を防ぐ」「請求漏れを確認する」――そんな確認作業が、日々の業務を圧迫していました。
「建設業の現場をわかってくれる」パートナーを求めて
既にfreeeなどのクラウドツールは導入済みでしたが、案件管理や営業支援(SFA)には課題が残っていました。
そんな時に出会ったのが「現場へGO!」。Salesforceを基盤に、建設業・設備業に特化した設計が施されており、導入支援チームの「現場理解」も決め手の一つとなりました。「建設業って言葉でくくっても、実際の現場の流れを分かってくれる会社は少ない。現場へGO!の担当者は、私たちの“あるある”がすぐ通じました」
導入初期――“まず入れる”ところからの再出発
導入当初は決してスムーズではありませんでした。使い方の講習を受けても、日々の業務に追われて入力が進まず、半年ほどはExcelと併用する日々が続きました。そこで方針転換。代表と総務が中心になり、「完璧よりもまず入れる」方針へ。データの整備に時間をかけすぎず、まずはすべての案件を現場へGO!に登録し、運用を回しながら整えていくことを決断しました。
総務が中心となり、現場の声を拾う設計へ
協和機工では、総務が見積・契約・請求・入出金をすべて担っています。現場へGO!の設定変更も総務が担当し、現場からのフィードバックを反映しながら運用を調整しています。
また、CRM利用経験者(Salesforceは未経験)が社内に加わったことで、「やりたいこと」「やれること」についての交通整理がスムーズになり、スピード感が増しました。運用設計は今も継続的に改善中です。
“まだ結果は出ていない”。それでも見えた手応え
導入から1年半。現場へGO!はようやく日常業務の中に溶け込み始めたところ。現状は、案件・見積・請求の一元管理までは定着しつつあるものの、営業活動の記録やデータ活用はこれからの課題です。
他社で見えた“次の景色”――目指すべき未来
協和機工は今まさに“仕組みを整える途中”。ただ、現場へGO!を使いこなす企業がどのように変わっていくかは、他社の成功例から見えてきます。「別の導入企業では、最初は現場があまり乗り気じゃない中でも、書類が自動で作れるようになって“月に1〜2日分は楽になった”と実感したと聞きました。我々もそういう実感を持てるようになるのが次の目標です」
「高速道路が開通したところ」――仕組みがつながり始めた
代表は、いまの状況をこう表現します。「ようやく高速道路が開通したところだと思っています。東京と大阪がつながったけど、まだサービスエリアも料金所も整っていない。これからどんな形で走らせるかを考えている段階です。」基盤は整い、データは流れ始めた。次はそのデータを使いこなすステージへ――。
完璧を求めず、現場と共に仕組みを育てる
協和機工の挑戦は、システムを導入して終わりではありません。むしろ「導入してからがスタート」でした。
「最初に“何を見たいか”を決めずに始めたことで、苦労もありました。
でも、やりながら“こうしたい”が見えてくるのは悪いことじゃない。設計→運用→改善、このサイクルを回せるようになったのが一番の収穫です」
導入から1年半。協和機工の挑戦は、まだ途中。「だが、“基盤がつながった”という実感は確かにあり、Excelでは追いきれなかった情報が、少しずつ1つの仕組みの中で動き出した。
これから“入力が自分に返る”実感を得るまで、現場と共に歩む。」それが同社の、現場へGO!との次のステージです。
