「休みは増えたのに会社は強くなる」 不動産と建設をつなぐ業務を、Salesforceと現場へGO!で。

導入背景

アスタスは、不動産と建設の両事業を自社内で一気通貫で行う“二刀流”のビジネスモデルを強みに成長してきた。
しかしその裏側では、 不動産側はSalesforce基盤のカクシンクラウド、工事側は別システム+Excel と、データが複数の基盤に分散。
案件数が増えるほど全体像が見えづらく、売上・粗利の把握にも時間がかかる状況だった。
さらに、工事領域の小規模案件はシステムに登録されず、実態とデータが一致しないギャップも発生。
別々のシステムが増え続けることで、将来的に社内基盤が“いびつな形”になる懸念も生まれていた。
これらを解消するため、 工事領域を含めSalesforceに統一する方針を固め、
建設業に特化した Salesforceネイティブアプリ「現場へGO!」の導入を決断した。

課題
  • データ分散による全体把握の困難:不動産側と工事側のシステムが異なり、情報が分断。案件数が増えるほど全体像が見えず、売上・粗利の把握にも時間がかかった。
  • 小規模工事のデータ未登録による実態とのズレ:大口工事以外は工事側CRMに登録されず、現場の実態とデータが一致しない状態が続いていた。
  • 将来的なシステムの“いびつ化”リスク:別々の基盤を増やし続けると、最終的に管理しづらい社内システムになる懸念が高まっていた。
効果
  • 売上・粗利がリアルタイムでズレなく可視化:決算の数字と現場へGO!上の売上・粗利がおおよそ一致。部門横断で数字をリアルタイムに把握できるようになった。
  • 案件が自動生成され、工数が大幅削減:コールセンター入力→工事案件が自動生成。Boxフォルダも自動作成され、現場運用の属人化を排除できた。
  • 業務効率化が働き方改革に寄与:休日108→122日に増加。土曜出勤も廃止し、完全週休二日制を実現。効率化と働きやすさが両立した。

不動産と建設を自社内に併せ持つ“二刀流”だからこその複雑さ

株式会社アスタスは、島根県を中心に、不動産と建設の両輪で事業を展開する企業です。
アパマンショップFCの運営を行いながら、原状回復や修繕工事といった建設領域まで自社で完結できるのが強み。
オーナーや入居者からの相談がそのまま工事案件につながり、
「不動産 → 修繕 → 不動産→…」 の循環が生まれるビジネスモデルです。

しかし、強みの裏側では、業務が複雑化する課題も抱えていました。
• 不動産:カクシンクラウド(Salesforce基盤アプリ)
• 建設工事:一般的なCRM+見積ソフト

複数のシステムにデータが分散し、工事の案件数が増えるほど全体像が見えづらくなる。
台帳はExcelと混在し、売上・粗利の把握にも時間がかかる状況でした。

「このまま“それぞれ別々に基盤”のシステムを増やしていくと、
出来上がったときに“変な形の社内システム”になってしまうのが目に浮かんだんです。」
と小林社長は語ります。

システムの選定基準は「Salesforceの上で動くかどうか」

不動産事業側ではすでにSalesforce基盤のカクシンクラウドが浸透していました。
若手社員を中心にクラウド利用のハードルも低く、
「Salesforceで仕事が見える世界」が出来上がりつつありました。

一方、工事側は別基盤のCRM中心。
案件の登録は主要な大口工事が中心で、小規模の工事は追い切れず、
実態とデータが一致していない状態に。

そこで小林社長は、工事領域も
「Salesforceの上に寄せていく」 方針を固めます。
「これ以上“別の土台”を増やさず、同じSalesforceに寄せていくのが合理的だと思いました。」

建設・設備業向けのSalesforceネイティブアプリ「現場へGO!」が採用された理由はシンプルでした。
 • Salesforce上で動く
 • 建設業務に特化している
 • 不動産側とデータ基盤を分けずに済む

“違う文化を持つアプリを増やさない”
これが中長期のシステム戦略としての決め手でした。

アスタスは「ITアレルギーがない」組織

導入がスムーズだった背景には、会社の“空気”があります。
アスタスはこれまでに、
段階的にクラウドツールを導入してきました。

「若いメンバーは“会社ってこういうもの”として受け入れてくれるんです。
新しいツールに対する拒否反応がほとんどない。」

カクシンクラウドの利用で、Salesforce基盤への馴染みがある中だったので、
現場へGO!の導入も自然に馴染み、
工事案件をSalesforce上で追えるようになったことで、
不動産と建設が同じ場所で会話できる環境が整い始めました。

コールセンター連携で“案件が勝手にできる”状態へ

アスタスならではの取り組みが、外部コールセンターとの連携です。

ナビダイヤルを導入し、入居者からの修繕依頼は外部コールセンターが一次受付。
オペレーターがカクシンクラウドに入力すると、
現場へGO!に工事案件が自動生成されます。

「繁忙期でも、案件が勝手にできていくんです。
昔は社員が電話を受けて、メモして…とやっていたと思うと、戻れませんね。」

さらに案件作成と同時に、Box上に自動で案件フォルダが生成され、
写真・契約書・図面などの用途別フォルダまで自動で作られる仕組みです。

「好きな場所に好きな名前でフォルダを作り始めると、
すぐにぐちゃぐちゃになるんですよね。
必要なフォルダが自動で揃うのは本当に助かります。」

ファイル運用の属人化を“仕組み側”で消す工夫が徹底されています。

ツール利用をはじめとした業務効率化の取り組みの成果は業務変革だけでなく、大きな働き方変革へとつながった

現場へGO!とSalesforceを本格活用して見えてきた最大の成果は、
数字がリアルタイムで“ズレなく”見えるようになったこと。

「決算の数字と、現場へGO!に入っている売上・粗利の数字がほぼ一致したんです。
これはこれまででは考えられませんでした。」

これにより、工事部門の売上推移、不動産部門との連動、粗利の変動のおおよその数字を、
リアルタイムで把握できるようになりました。

こうした業務の変化だけでなく、働き方にも大きな変化をもたらしました。
 • 年間休日:108日 → 122日
 • 社員の土曜出勤を廃止し、完全週休二日制へ

「本当に現場が回るのか?」という不安はありつつ、
業務の効率化や生産性をあげる取り組みとして、現場へGO!をはじめとした、各種ツールの利用とアウトソーシングの組み合わせを進めたこと、
また何より、社員と対話し、納得感をもってもらいながら少しずつ進めたことが、大きな働き方変革につながっていたと振り返ります。

社員としても、働き方が変わっていく実感を持ちながら、
会社として、売上・利益ともに成長し続けています。

現場へGO!への改善要望

アスタスの運用は安定していますが、現場へGO!への“改善要望”も明確です。
その代表例が
“現場でその場で見積もるための軽い見積機能がほしい”
というもの。

「お客様は『ざっくりで良いから早く金額を知りたい』という時が多いんです。
現地調査に行った際に、その場で条件を選べば見積が出るような軽い仕組みがあれば、現場もお客様も楽になると思います。」

不動産領域では外部帳票ツールを使って簡易見積を運用中。
建設側にも同じ思想を持ち込みたい、という改善要望です。

現場へGO!の活用度合いが進んだことで、
“次にどこを便利にしたいか”が明確に見えてきた段階と言えます。

「どこを楽にしたいか」を見極めるのが成功の鍵

最後に、小林社長にデジタル化で大切にしていることを聞きました。

「まず『どこが一番しんどいのか』を見極めること。
社員が面倒だと思っているところに効くツールを選ぶと、定着が早いです。」

「システムだけ入れても、社員からすると“仕事が増えた”に見えることが多い。
だからこそ、トップが方向性を示しつつ、現場の声も聞きながら少しずつ変えていく。」

「最終的には、社員の働きやすさをどうつくるか。
現場へGO!もSalesforceも、そのための“裏方”の道具なんです。」

アスタスの取り組みは、
「効率化」と「働きやすさ」を矛盾させない改革
をSalesforce×現場へGO!を使いながら実現させた素晴らしい事例と言えます。

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